延命ではなく充実した人生を送るのが治療の目的だと知ろう

延命ではなく充実した人生を送るのが治療の目的だと知ろう

医療は人の病気を治し健康にするために存在します。しかし世の中にはまだまだ治らない病気が存在します。その時の治療の目的は何か?それは病気の進行を可能な限り遅らせる事にあります。

しかし患者の人生一番の目的が「病気の進行を遅らせること」になってしまうことがあります。それは誤った考え方です。患者がすべきことは、気持ちに折り合いをつけて、残された時間をより充実させることです。延命は第二の目標で、より良く生きることを第一に考えないと、結局時間を無駄に過ごしてしまいます。

死期が迫れば「ただ生きてるだけで素晴らしい」とも思うでしょう。ただそれは最高の目的ではないはずです。長生きや健康は夢や希望をかなえるためにあるのではないでしょうか。

治らない病気の進行を食い止める治療は大変高度な技術が必要です。延命治療は難易度が高く、残りの人生の大半を病院で過ごすことになってしまうでしょう。抗がん剤など副作用が強い薬を用いれば、投薬すること自体が命を縮めることにもなりかねません。これでは生きていてもちっとも幸せとはいえないはずです。だから直らない病気の治療は普通、病気の進行を遅らせると同時に、病気や薬の副作用による苦痛を柔らげることに焦点が置かれます。

にもかかわらず当の患者は一秒でも長く生きることだけに生きがいを感じたりします。治療の真の目的が、家族や親しい人と過ごしたり、やり残したことをする時間を作り出すことであるのに、それに気づけず「ただ生きたい」と願うのです。

残念なことに延命最優先の治療と、生活の質を確保したまま最期を迎える治療は両立できないことが多々あります。医療の限界なのです。したがって、延命をとにかく優先してしまうと生活の質は悪化します。やりたいことができる環境ではなくなってしまうのです。

不治の病に、生きること最優先の治療だけで挑めば苦しいだけで何も幸せではありません。延命最優先の治療を受けた患者は、いつの間にか死期が迫っていて「楽な治療を受けて時間を有意義に使えばよかった」と後悔する場合が多いようです。医者などの専門家と十分話し合って、どんな治療を行えば、最善のエンディングを迎えられるか検討することが大事です。